現在、南高梅の産地、和歌山県紀南地方においては
海岸から2km〜5kmの西斜面を開墾して栽培され、帯状につながって
います。ふわっと南高梅の南部農園はその様な環境にあります。海岸のすぐ近くの梅は潮風をもろに受け、強い西日の直射日光と海面からの反射の光が届く距離、やわらかい潮風が届く所、これが梅の木にとって理想的な場所であり、この地を開拓し、栽培した先人の知恵に感服します。
梅干の主成分のクエン酸は、人間の体内に入ったマグネシウム、
カルシウムなどのミネラルを吸収し易くしてくれ、身体疲労物質である「乳酸」
を分解し、体内に蓄積されるのを防いでくれる働きがあります。
梅干にはこうしたクエン酸が他の果物に比べて多く含まれており、
日本が生んだ画期的な食品であると言われています。ところが、唯一の欠点は塩分が多く食べにくいことにあります。
市販の梅干の多くは、食べやすくするため、塩と共に梅の主成分である天然のクエン酸の多くを外に出し、代わりに化学調味料や合成保存料などの添加物等を吸収させて作られています。
「こんなものは本物の梅干やない、それなら
自分で一から本格的な梅干作りに挑戦してやろ。」と思い立ち、
和歌山県紀南の南部町の農家と契約を交わし、
農園や製造施設に入り浸り私財をつぎ込んで開発を始めたのです。
できる限り低農薬で上質の梅を栽培し、ミネラル豊富な天然塩で漬け込み、土用の天日干しをしっかり行う昔ながらの製法にこだわりました。
昔ながらの梅干は塩分が多いので、低塩でご飯用に適した(13%)に取り組みました。そしてお茶受けにも楽しめる、もっと食べやすいうす塩(8%)のものを作ろうとしたのですが、これが苦労の始まり。やっと出来たと思えばカビが発生したり、醗酵して梅の容器がパンパンに膨れたりして、いざ販売までこぎつけたものの、お客様に不良品が渡り、お詫びの行脚をしたことも度々ありました。「無添加で美味しくて体に優しい梅干を作ろうと努力を重ねておりますが、この様な事になり申し訳ございません。」
とお詫びを申し上げたところ、逆にお客様に「しっかり頑張れ」と励まされ、
「これは丹精込めてもっといい物をつくらなあかん」と益々情熱を持って梅干づくりに取り組み続けました。
そしてついに、8年半かけて無添加で減塩した「自然仕込み」の
梅干を作ることに成功しました。
秘決は、無菌工程・チェックシステムの確立、何より
酸度・糖度・塩度の絶妙なバランスを見つけたことでした。
“無添加でしかも美味しいものを。梅の成分を生かした梅干が人を活かす。”
それが梅干作りの哲学です。「食は人を良くする」と書きますが、
この梅干はまさにそのものだと自信を持っております。
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